きたぞ!われらのウルトラマントレギア!2022年ハロウィンパーティー in 怪獣酒場の思い出

物語の「悪役」という存在は、時に主役以上の魅力を放つ。
『オセロー』のイアーゴーしかり、『バットマン』のジョーカーしかり、『スター・ウォーズ』のダース・ベイダーしかり、『アンパンマン』のバイキンマンしかり。

ウルトラマントレギア。
彼も、間違いなくそんな悪役の一人であろう。

これは、去る2022年10月30日(日)、神奈川県川崎市の「怪獣酒場」で行われた「ウルトラマントレギアと過ごすプレミアムハロウィンパーティー」に参加したときの思い出話である。

今振り返ってみての感想や、当時何が行われていたのかその詳細、「トレギアはこんな感じだった」という記録を残しておく。

ウルトラマントレギアと過ごすプレミアムハロウィンパーティーとは?

「ウルトラマントレギアと過ごすプレミアムハロウィンパーティー」とは、東京都港区新橋および神奈川県川崎市にある「怪獣酒場」で開催された、ウルトラマン関係のイベントである。

怪獣酒場とは、「ウルトラ怪獣たちが夜な夜な憂さを晴らし気力を養って、明日への新たな悪巧みをするところ」をコンセプトとした居酒屋だ。

このイベントは、円谷プロの特撮作品「ウルトラシリーズ」に登場する悪役たちが主役の舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~2022』の連動キャンペーンとして行われた。

概要は以下のとおり。

開催日

・2022年10月29日(土)怪獣酒場新橋蒸溜所
・2022年10月30日(日)怪獣酒場川崎

開催時間

・1回目 11:00~13:30(受付10:45)
・2回目 17:00~19:30(受付16:45)

参加費用
12,000円(税込)

スペシャルコースメニュー(1ドリンク付き)

ウルトラマントレギアとの2ショット撮影(ミニフォト付き)

特製グッズを参加者全員にプレゼント!

怪獣酒場公式サイトより引用)

ウルトラマントレギアとは

ウルトラマントレギアは、円谷作品に登場する悪役(ヴィラン)である。

見た目は仮面をつけた道化師のようで、立ち振る舞いは紳士だが、実は残忍な悪魔のような男…というキャラクターだ。

かの有名なウルトラマンタロウの親友だったが、紆余曲折経て闇堕ちし、ウルトラ戦士たちの前に強大な敵として立ちはだかる。

2019年に初登場後、その強烈な個性やルックス、賛否両論を呼ぶ設定などから大きなインパクトを残した彼は、現在もなお根強い人気を誇っている。

川崎のハロウィンパーティー開幕の流れ

私は10月30日(日)の川崎・11時の回に参加したため、この項ではそちらの様子を時系列順で記録する。

ハロウィンパーティーの流れは以下のとおり。

11時00分〜:イベントスタート

・MCのマグマ星人の紹介でウルトラマントレギア登場

・乾杯

・ウルトラマントレギアによるテーブルごとの出迎えの挨拶回り

・コース料理の提供

・ウルトラマントレギアとのツーショット撮影(チェキ)

12時30分~:ウルトラマントレギアとのゲーム大会

・地球あげるかお菓子あげるか?ゲーム

・怪獣ものまね当てゲーム

・撮影タイム

13時30分~:閉会

・ウルトラマントレギアによるテーブルごとのお礼の挨拶回り

・閉会挨拶

・特製グッズ受け渡し、参加者退店

ハロウィンパーティー開幕

来店すると、店員のダダさん※に案内され、割り振られたテーブルに案内された。

1人参加の私は、店の奥に近いカウンター席。
参加は30人だが、店内ほぼすべてのテーブル席が使われていた。

川崎の怪獣酒場には大人数が入れる座敷部屋があるので、てっきりそこでみんなでワイワイやるものと思っていたが、コロナ禍なので密にならない対策となっていた。

※怪獣酒場では、店員さんを「ダダ」と呼ぶ。元ネタは、初代ウルトラマン第28話「人間標本5・6」に登場した「三面怪人ダダ」。

着席して、まずは手書きでドリンクを注文。
何にするか迷ったが、ここはやはりウルトラマントレギアのイベントということで、彼のイメージカクテルを注文した。

以前、同じドリンクを注文したときのカクテルグラスではなく、デザート用のような入れ物で出てきた。
これだけの人数にドリンク、すでにお酒のグラスは出払っていたのかもしれない。

開演を待つ間はぬいぐるみで遊んでいた。うちにはウルトラマン、ティガ、トレギアの3人がいる。

開演時間を迎えると、まずはMCを務めるマグマ星人※が登場。

夏に池袋で行われたイベント「ウルトラヒーローズEXPO 2022 サマーフェスティバル」にもいらっしゃったマグマ星人さんのようだ。
自己紹介ののち、パーティーの注意事項などを説明してくれる。

盛り上げ上手・あおり上手な軽快トークに、場のボルデージが上がっていく。

※マグマ星人とは、『ウルトラマンレオ』等のウルトラシリーズに登場する宇宙人。本編では基本的に敵だが、ウルトラマンのイベントで司会進行を務めることも多い。

パーティーの主役、ウルトラマントレギア登場!

マグマ星人
マグマ星人

それではご登場いただきましょう。
ウルトラマントレギア様です!

万雷の拍手とともに、店の奥からゆっくりとウルトラマントレギアが登場。

オーディエンスへ向けて優雅に一礼し、ヒラヒラと手を振ってくれた。
軟体動物みたいな指の動きである。

私は生のウルトラマントレギアは初めて見るため、「ウワー!!すごい!動いてる!本物(?)だ!!」と大興奮だった。

池袋サンシャインシティで展示されていた風船の巨大シン・ウルトラマンを見て「本物だー!」と目を輝かせていた少年がいたらしいが、100%同じ反応である。

仮面の目の部分が本当に赤く光っているのを見て、「目が光ってる!」とビックリした。

夏にウルトラマンたちの黄色い目が光るのを散々見ていたはずなのだが、こうしたヒーローショーではないイベントが初めてならディナーショーのようなシチュエーションも初めて、そもそもウルトラ怪獣のイベントが初めてだったこともあり、私にはすべてが新鮮に映った。

暗めの店内で、トレギアの影が動くたびに両眼の赤がぼうっと浮かび上がるのが綺麗だった。

「君と僕とでバディゴー」で乾杯

悠々と通路を歩いてゆき、参加者全員の前に立ったウルトラマントレギア。
ジャスチャーでエア・ワイングラス(でかい)を掲げる。

マグマ星人の「君と僕とでバディゴー!」の挨拶とともに、皆で一斉にグラスを掲げて乾杯した。
パーティーの開幕である。

ウルトラマントレギアのウェルカム挨拶

アテンド(介添人)のお兄さんを伴ったウルトラマントレギアが各テーブルを回り、出迎えの挨拶をしてくれることになった。

川崎の怪獣酒場は半個室となっており、席が壁で仕切られているので、新橋店のように見通しがよくない。
トレギアが自らテーブルを回り、グリーティングしてくれるのは有難いことだ。

私の順番は最後のほうであった。
ウルトラマントレギアが壁の向こうに消えて見えなくなったので、提供された料理を食べようとした瞬間「キャーーー!!!」と絶叫が聞こえてきた。

思わず隣の席の参加者さんと顔を見合わせる私。

「昨日(新橋のパーティー)も悲鳴をあげる地球人の方々がいましたからねぇ…」と言いながら我々の後ろを通り過ぎていく店のスタッフさんは、さながらSF作品のエネミー宇宙人であった。いや、確かにそういう設定の酒場ではあるのだが。

料理に舌鼓を打っていると、テーブルグリーティングの順番がめぐってきた。

後ろで手を組み、アテンドのお兄さんを従えたウルトラマントレギアが、向こうからゆっくりと歩いてくる。

「お初にお目にかかります。この度はお招きいただき云々」と丁寧な挨拶をしようと思っていたのだが、トレギア本人が目の前に来るとさすがの私もテンパって「あっこんにちは!」と道端で近所のおばさんとバッタリ会ったときのような挨拶をしてしまった。

あごを引き、ひとつうなずくウルトラマントレギア。若干ツンを感じる。

私がテーブルに広げていたウルトラマンのおもちゃを一瞥すると、フンと鼻を鳴らすような仕草をして、トレギアはテーブルを離れていった。わりと塩味である。

「滅多にない機会だから」と、ウルトラマントレギアのソフビ以外にも、彼の地雷といえるウルトラマンタロウのソフビや、彼にとって敵側である初代ウルトラマンのぬいぐるみをぞろぞろと連れてきていたので、トレギアの機嫌を損ねてしまったのかもしれない。

まだパーティーが始まって数分なのに、いきなり雲行きが怪しくなってきた。

「大丈夫か?この先…」

私は、遠ざかっていくウルトラマントレギアの背中をハラハラと見つめていた。

ウルトラマントレギアとツーショットを撮ろう!チェキ撮影会

参加者全員が楽しみにしていたであろう、ポラロイドカメラでの撮影会。

入口側のテーブルから順番に、一人ひとりウルトラマントレギアと並んで写真を撮る。

スタッフの方によれば「チェキの現像にけっこう時間がかかりますから、思ってるより長くトレギア様とお話できますよ」とのこと。

ワンショットしか撮れないのでポーズに迷ったが、結局、私は連れてきたぬいぐるみとフィギュアたちを全員抱えて、集合写真を撮ってもらうことにした。

この先、もし他のショーなどで再びウルトラマントレギアに会えたとしても、これだけたくさんの人形を抱えて撮影することはないだろうと思ったからである。

一緒に撮った子たちは以下のとおり。

  • M78ウルトラマン(ふわふわお座りぬいぐるみ)
  • M78ウルトラマンティガ(同上)
  • M78ウルトラマントレギア(同上)
  • ウルトラマンタロウ(ソフビ)
  • ウルトラマントレギア・アーリースタイル(同上)
  • ウルトラマントレギア(同上)

落とすかと思ったが、これくらいは抱えられることが分かった。
トレギアの敵方の人形をも丸ごと両手いっぱいに抱えてきた私を見て目を丸くしていたスタッフさんには「うちの子たちは仲がいいんです!」で乗り切った。

ウルトラマントレギアの横に並ぶと、撮影スタッフさんから「もっと近づいていいですよ!」との声。
若干怯む私。緊張もあるし、さすがメインヴィランを務めた男でもあるので、そばに立つだけで”威圧感”を感じる。

おそるおそる近寄ってみるも、ちょっとぶつかって慌てて下がる。
トレギア本人はスレンダーでも、装着しているプロテクターなどの意匠のせいか、けっこう体がゴツいのである。

ポラロイド写真は、ウルトラマントレギアらしい「片手を差し出すポーズ」でパシャリ。

現像を待つあいだ、少し話せると言われていたことを思い出したので「どうしてそんなにカッコイイんですか?」と聞いてみた。

こちらを振り向き、アメリカ人のように「さあ?」と両手を広げて肩をすくめるウルトラマントレギア。

「トレギア様はもう存在自体がカッコイイですから~!」とアテンドのお兄さんが横でにこにこしていたのが印象深かった。

マグマ星人とのトークタイムもあり

ウルトラマントレギアが他の参加者とツーショット撮影をしているあいだは、マグマ星人が各テーブルを回ってくれた。

「パーティー楽しんでますか?」
「何口くらい応募したんですか?」
「トレギア様との写真撮影どうでした?」
「隣の人とお友達になりましょう!」

など、軽妙なトークで盛り上げてくれる。

マグマ星人さんはとにかく話し上手な方で、いろいろお話しできて、とても楽しかった。

マグマ星人
マグマ星人

一番好きなキャラクターは誰ですか?

私

初代ウルトラマンです!!

マグマ星人
マグマ星人

おっいいですね~。ちなみに僕はタロウが好きです。

私

……。

私

ここにいて大丈夫なんですか?

マグマ星人
マグマ星人

トレギア様にバレなきゃいいんですよ、バレなきゃ。

私

……。

隣席の方も交えて3人でワイワイ喋り、酒もまわって笑いの沸点が低くなった私は、椅子にひっくり返ってヒィヒィと笑い続けていた。
トレギアのハロパでそんなに爆笑することになるとは予想外である。

ツーショット撮影会が終わると、ウルトラマントレギアはいったん店の奥へと退室していった。

ウルトラマントレギアと勝負だ!ゲーム大会

イベント後半は、ウルトラマントレギアと真っ向勝負のゲーム大会をおこなうことになった。
参加者全員で、広い座敷席に移動する。

酒は座敷席に持っていけないと聞いたので、手元のビールジョッキを掴んでガッと一気に空けると、「あれが地球人の”景気付け”か…」「これだから地球人は…」と店員のダダさんたちに背後でヒソヒソ言われていた。

ゲーム大会でも、MCはマグマ星人さんだ。

「それではさっそくお呼びしましょう。トレギア様ー!!」の呼び声に、ウルトラマントレギアが再び登場。
きちんと雑巾でブーツの裏を拭いてから、座敷に上がってきた。

マグマ星人
マグマ星人

それでは、改めてご紹介しましょう。
ウルトラマンタロウへの愛は宇宙一!

ウルトラマンタロウ・ガチ恋勢のウルトラマントレギア様です!

ガチ恋勢だったんですか?

直後の記憶は曖昧だが、トレギアは若干キレていた気がする。

さて、今回のイベントは舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~2022』連動キャンペーンであるため、ゲームの前に舞台の紹介があった。

マグマ星人が、舞台に登場するウルトラマンベリアルやジャグラスジャグラー、カルミラといった悪役たち、そして演じられた俳優の方々を紹介。
トレギアも、紹介のたびにパチパチと拍手をしていた。

司会中にマグマ星人がちょいちょい噛むので、そのたびにトレギアが両手で「噛んでる」のポーズをしてからかっていた。なかなかお茶目である。

【予選】地球あげるかお菓子あげるか?ゲーム

いよいよゲーム大会の始まりである。
ゲームには「予選」と「本戦」の2種類があり、勝ち抜いた3人に優勝景品があるとのこと。

マグマ星人
マグマ星人

優勝景品は、僕の髪の毛です!

即座にツッコミを入れるトレギア。コントの息もぴったりである。

正しいゲームの優勝景品は「ウルトラマントレギアと自分のカメラ・スマホで写真が撮れる権利」であった。
貴重な景品に場の空気がやる気に満ち、ヒートアップしていくのがわかる。

まず「予選」として行われたのは、「地球あげるかお菓子あげるか?ゲーム」である。
ルールは以下のとおり。

  1. 参加者には、「地球」と「キャンディー」の2枚のカードが配布される。
  2. トレギア氏の付き人である「坊やさん」が、「メフィラス星人※」か「子どもたち」のカードのどちらかを上げる。
  3. 参加者は、坊やさんがカードを上げると同時に、「地球」か「キャンディー」のカードを上げる。
  4. 「メフィラス星人」のカードが上がっているときに「地球」、「子どもたち」のカードが上がっているときに「キャンディー」のカードを上げていれば勝ち。逆だったら負け。その場に座る。

ここでまさかの大好きな宇宙人・メフィラス星人の登場に、私は大興奮だった。

※メフィラス星人とは、初代ウルトラマンに登場する敵。地球人の少年に対して「『地球をあなたにあげましょう』と言ってくれないかね。」と取引を持ちかけていた。

ハロウィンらしく、トレギアの「Trick or Treat!」の指パッチンでゲームスタート。

私は3回戦で負けてしまったが、最終的に7人の方が予選に勝ち残った。
本来は5人を残す予定だったようだが、トレギアが「7人でいい」と承諾したため、全員が本戦に進むこととなった。

【本戦】怪獣ものまね当てゲーム

ものまねバトルで勝負だ!

ゲーム本戦は、ウルトラマントレギアvsプレイヤーの1対1の真っ向勝負、「怪獣ものまね当てゲーム」だ。
ルールは以下のとおり。

  1. プレイヤーは1人ずつ客席の前に出てくる。
  2. 複数ある怪獣のカードから、プレイヤーが1枚を選ぶ。
  3. 参加者がカードに描かれた怪獣のものまねをおこない、ウルトラマントレギアがどの怪獣かを当てる。

個人的に、カードに推し怪獣のゼットンがいるのに気づいてワクワクしていた。
どんな形でも「推し」が居てくれるのは、テンションが上がるものだ。

プレイヤーが怪獣カードを選ぶあいだ、どのカードか見てはいけないので、客席にやってきたウルトラマントレギア。
部屋の端っこで目隠しをしたり、参加者に囲まれながらテーブルの空いた席に座ったりと自由である。

『ウルトラマンR/B』(2018年)に登場するキャラクター・湊アサヒちゃんのコスプレをしたお子さんの目の前に座り、両手で頬杖をついてジーッとお子さんの顔を見つめるトレギアが微笑ましかった。

トレギアは私のすぐ目の前にも来てくれたが、私は呆けたようになり、身を屈めてきたトレギアの顔をポカンと見上げるばかりであった。
面白いことは何もできず、これが私のエンターテイナーとしての限界だといえよう。

ここで気づいたが、トレギアの顔は間近で見るとわりと普通に怖い。
ショーでトレギアが登場すると子どもたちが泣き出すと聞くが、「そうだろうねぇ」と納得した。

ものまねゲーム開始!

怪獣が決まると、さっそくゲームスタート。

トレギアが移動するたびに参加者全員が彼のことを目で追っていたため、どの怪獣が選ばれたのか誰も見ていない。
プレイヤーさんが演じる怪獣が何かを当てるのは、トレギアのみならず、観客の我々も同条件というわけだ。

壁に右手をつき、腰に左手を当てたモデルのような立ち姿でトレギアが眺める中で、プレイヤーさんたちが順番に怪獣ものまねを披露なさった。

ピグモン、ジャミラ、バルタン星人、メトロン星人、ゼットン、あと翼っぽい腕のある…ごめんなさい、名前を忘れたが、確か鳥のような怪獣で、でもギエロン星獣じゃなかったと思う。なんだったっけ…。

個人的に感動したのは、「ジャミラ」のものまねをしたプレイヤーさんである。

かつて初代ウルトラマンを試聴した子供たちがやっていたという「服を頭まで引き上げるジャミラのものまね」が、この目で生で見られたのだ!

「これ!テレビで見たし、本でも読んだ!」と、まるでテスト中にこの問題は進研ゼミで見たと喜ぶ中学生のように私は興奮した。
プレイヤーさんには、この場を借りてお礼を申し上げたい。ありがとうございます!

さて、ものまねを見て、どの怪獣かをカードで選ぶウルトラマントレギア。

「簡単だ」と言わんばかりに速攻でカードを上げたり、真面目に悩む仕草を見せたり、わざと間違った怪獣を答えようとして責められ、しぶしぶ正解のカードを突き出すなど、茶目っ気たっぷりである。想像以上にひょうきんなお人のようだ。

例のポエムを大衆の前で読まれるウルトラマントレギア

ゲーム中、不意にマグマ星人さんが「なにこれ?手紙?」と棚から1枚の紙を取り出した。

マグマ星人
マグマ星人

“たとえ星雲が凍って闇が宇宙を覆ったとしても”…なにこれ怪文書? 

ざわめく参加者。

不思議そうに振り向いて、その先を読むようにうながすウルトラマントレギア。

仕方なく紙に書かれたポエムの続きを滔々と読み上げるマグマ星人。

息を飲む参加者。

ポエムに聞き入るウルトラマントレギア。感動のあまり目に浮かんだ涙をぬぐい、胸に手を当て、非常に感じ入っている様子だ。

マグマ星人のそばにいそいそと近寄り、紙を覗き込むウルトラマントレギア。

とたんに固まるウルトラマントレギア。

顔を見合わせるウルトラマントレギアとマグマ星人。

マグマ星人
マグマ星人

え?これトレギア様が書いたんですか?

コクンとうなずくウルトラマントレギア。

次の瞬間、マグマ星人から紙を奪い取ってビリビリに引きちぎるウルトラマントレギア!

マグマ星人
マグマ星人

アアアーーーーーーッ!!!

立て続けにマグマ星人に襲いかかるウルトラマントレギア!情緒不安定か?

マジギレしたトレギアは、腹をぶち破るような稲妻パンチを繰り出した。
ビビり倒すマグマ星人。

その後、ゆっくりと口元をぬぐうトレギアのセクシーな仕草に、場は最高潮の盛り上がりを見せた。
(他の参加者さんに教えていただいたところ、これは「ウルトラヒーローズEXPO2020」のステージが元ネタだそう。あとで観ます。)

その後、トレギアは撃沈。
片手で頭を抱えて隅っこに座り込んでしまった。

マグマ星人
マグマ星人

もう1枚あるけど出さなくてよかったな…

もう1枚あるの!?

参加者たちも「アハハ…」と愛想笑いをしてどうしようもない空気が広がる中、ゲームが再開されたが、ウルトラマントレギアは完全に投げやりモードになっていた。さっきまでの優雅さはどこへ…。

ぶすくれるトレギアをよそに、いよいよ最後のプレイヤーさんの登場である。

ジャミラのカードが再び選ばれかけたが、「さっきとかぶってる」「最後だから」とマグマ星人が持ち出してきたのは、なんとウルトラマントレギアのカードであった。

「大丈夫!ここにはトレギア様が1番好きな人たちしかいないから!」とマグマ星人がプレイヤーさんを励ますも、プレイヤーさんが1番好きなのはウルトラマンタイタス※だったらしく、それを聞いたトレギアは激怒。
「退場!」とばかりに店員さんの呼び出しボタンを連打しながらブチキレていた。

※ウルトラマンタイタスは、『ウルトラマンタイガ』(2019年)に登場するウルトラ戦士。鍛え抜かれた身体を持ち、「力の賢者」と呼ばれている。ウルトラマントレギアから見れば敵。

機嫌が谷底に落ちたトレギアに、「ホラ、ものまね!トレギア様のものまねするから!」とマグマ星人氏がなだめすかしてゲームが再開された。ものまね当てゲームとは。

ようやく元気を取り戻したらしいトレギアが、わざと間違った怪獣カードを選ぼうとするも、参加者全員のブーイングで阻止。
トレギアも最後はきっちり「ウルトラマントレギア」のカードを掲げた。

怪獣ものまねクイズ、トレギアは見事に全問正解である。
きちんとオチがついた大団円であった。

最後の勝負はトレギアじゃんけん

怪獣ものまねで優勝者が3人が決まる予定であったが、トレギアがすべての怪獣を当てたため、プレイヤー同士のじゃんけん勝負で雌雄を決することとなった。

マグマ星人
マグマ星人

ト~レギ~アじゃ~んけん!じゃんけんぽん!(後出しじゃんけんのリズム)

瞬間にポンキッキーズと化す空間。

「ト~レギ~アじゃ~んけん!」の抑揚に合わせて左右に上半身をぴょこぴょこ揺らすウルトラマントレギアは、完全に低年齢児が見る教育番組のおにいさんである。

無事に優勝者が3人決まり、これにてゲーム大会は終了した。

見ているだけでも十分楽しめたし、そして何よりジャミラのものまねがとてもよかった。

優勝者の方々、改めておめでとうございました!

ゲーム敗者にもファンサービス!ウルトラマントレギア撮影会

さて、ここでマグマ星人から嬉しいアナウンス。
ゲーム敗者たちも、ウルトラマントレギアの写真を撮影してよいとのこと。
トレギアも快くOKしてくれ、撮影会がスタートした。

参加者のカメラに向けてポーズを決めるトレギア。

すべての参加者が写真を撮れるように座敷のあちこちに移動し、さまざまなポーズを決めてくれるウルトラマントレギア。優しい。

参加者の中にはお子さんもいらっしゃり、お子さんにはトレギアとのツーショットがプレゼントされた。
お子さんの移動に気を配ったり、しゃがんで目線を合わせてあげたりするウルトラマントレギア。とても優しい。

ゲーム大会終了後、参加者たちがそれぞれ自分の席に戻るあいだ、通路に立って一人ひとりを見守ってくれるウルトラマントレギア。すごく優しい。

移動が大変そうな方がいれば気にかけたり、自分の姿が見えづらい奥の座席にも足を運んでコミュニケーションしたりと、ホスピタリティーにあふれるウルトラマントレギア。やっぱり優しい。

個人の体験では、わざとはではないが私の席を塞ぐように立たれていたときに声をかけると、「これは失礼」とばかりにスッと体をどけたのち、「どうぞ」と片手で促してくれた。流れるような接待である。

マグマ星人にちょくちょく「いけず!!」と言われていたトレギアであったが、総じて優しく、紳士的だ。

これはイベントなのでそう振る舞うのは当たり前…というか、そうじゃないと困るのだが、それはそれとして、お客さんたちに穏やかに和やかに接するトレギアを眺めていると、闇堕ちする前の彼に思いを馳せてしまうのだった。

ウルトラマントレギア、最後のテーブルグリーティング

楽しい時間はあっという間に過ぎ、パーティーのお開きの時間が近づいてきた。

ウルトラマントレギアが、テーブルごとにお礼の挨拶回りをしてくれるという。

唐突に疾風のごとく猛スピードで会釈しながらテーブルの間を通り過ぎていったトレギアであったが、マグマ星人に突っ込まれ、しぶしぶ最初のテーブルに戻ってグリーティングをやり直してくれた。
ボケもツッコミもこなせる万能芸人のトレギアである。

参加者の方々のコメントにうなずいたり、肩を揺らして笑ったり、フィギュアに反応してくれたりしながら挨拶していくウルトラマントレギア。

私のテーブルに来てくれたとき、「とても楽しかったです。お会いできて光栄でした」と頭を下げると、トレギアは胸に手を当てて優雅に一礼してくれた。
心なしか、にっこりしてくれた気もする。
この頃にはもう「顔が怖い人」という印象はだいぶ薄らいでいた。

でもテーブルの上に並べていたウルトラマンタロウのソフビを見た瞬間、「それはへし折れ」と怒られた。

訂正。やっぱり怖いかもしれん。

マグマ星人の閉会挨拶

いよいよ閉会の時間である。

ウルトラマントレギアは、締めの挨拶をしようとするマグマ星人の前に立ち、左右にピコピコ動きながら邪魔をしていた。
まるでサカナクションの「新宝島」のPVのような…ちょっと違うか。
とにかく、最後まで小学生男子のようなイタズラをするトレギアであった。

皆で盛大な拍手をして、トレギアをお見送りする。

ウルトラマントレギアは手をヒラヒラと振り、唇を人差し指でそっとさすり、そのまま指ピストルで参加者たちをバン!と撃ち抜いて去っていった。

青い悪魔は最後までスタイリッシュで、妖しくエレガントであった。

見事にパーティーのホスト役を務めていかれたウルトラマントレギア。

いろいろな噂や気の毒な事情を聞いていたのでどうかなと思ったが、パーティーで会った彼は終始元気そうで、何より彼自身が楽しそうにしていたのがとても良かった。

「あれは一体どの彼※なんでしょう」とお店の方がつぶやいていたのが、ずっと耳に残っている。

※ウルトラシリーズでは多次元宇宙(マルチバース)設定を用いている。宇宙は複数あり、自分も宇宙の数だけ存在する、というもの。つまり、各宇宙ごとにウルトラマントレギアが存在し、それぞれの人生を生きているとされる。
怪獣酒場にいた彼は、果たしてどんな宇宙の彼だったのか?

ハロウィンパーティーのスペシャルコースメニューの内容

今回ふるまわれたお料理の数々を、こちらで紹介する。

【ワンドリンク】

【前菜】
・昆布〆サーモンのカルパッチョ レッドキャビアのせ
・馬肉のタルタル バケット添え
・彩り野菜のカポナータ

【サラダ】
秋のきのこと海老のサラダ バジルとチーズのドレッシング

【温菜】
イベリコ豚のコロッケ 香りトマトソース

【メイン】
鴨のコンフィ キャロットラベ添え

【〆】
紅芋の洋風炊き込みご飯~トリュフの薫り~

【デザート】
チーズケーキのアイスクリーム ブルーベリー添え

正直、ここまでしっかりご馳走を食べさせてくれるのかと驚いた。
巷でよくあるコラボメニューには「値段は高いが、味は正直そこまで…」という印象を持っていたからだ。

今回のハロパのコースメニューは、私のステレオタイプなイメージを見事に壊してくれた。

はしたなくない程度に、しかし空腹だったのでガツガツいただいて、ペロリと完食。
どのお料理も美味だったが、特に鴨肉はホロリとやわらかく、噛み締めると肉の旨味が口いっぱいに広がって、大変おいしかった。
ごちそうさまでした!

後になって、他の参加者の方々が「料理の量が地球人の胃に合っていてよかった」とおっしゃっていたのが面白かった。

話をうかがったところ、以前トレギアが主催したクリスマスパーティーでは、食べきれないほどの山のようなご馳走がふるまわれたとか。
イベントは日々アップデートを重ねていくのだなと興味深く感じた。

当時の参加者の方に写真で見せていただいたローストビーフがおいしそうだったので、いつか食べてみたいと思う。

おみやげの特製グッズは混沌の宴のアクリルブロック

帰りに、参加記念のグッズをいただいた。
怪獣酒場「CHAOS OF HALLOWEEN~混沌の宴~」メインビジュアルのアクリルブロックである。

書類をおさえるための文鎮だと思ったが、これはこういうインテリアらしい。

世の中には、私が知らないことがまだまだ沢山あるようだ。
「この世はでっかい宝島」とはよく言ったものである。

ハロウィンパーティーを通しての個人の所感や思い出

ここからは、個人の所感や思い出をまとめておく。

パフォーマーやお店の方々のサービス精神に感動

「お酒、ニセウルトラマンのジョッキで飲みたいんですけど…」と恐る恐る頼むと、店員のダダさんが「もう、これだから地球人は!いいよ♪」と言ってくれて不覚にもときめいた。

主役のウルトラマントレギアは勿論のこと、マグマ星人さんのほか、お店の方々によるサービス精神に感動した。

トレギアがテーブル挨拶やチェキ撮影をしているあいだ、飲食しているとはいえ、他の参加者はどうしても手持ち無沙汰になる。

そんな中、スタッフの方々が気を配ってくださり、いろいろとお声がけしてくださったことを大変嬉しく思った。

他の参加者の方々との交流が楽しい

個人的に楽しかったのは、他の参加者の方々とも交流できたことだ。

マグマ星人さんのうながしもあって、隣の席の方といろいろお話しできたり。

私の席からはよく見えなかった湊アサヒちゃんコスのお子さんの写真を見せていただいたり。

ゲームの優勝者の方々からは、景品であるウルトラマントレギアと撮影した写真を見せていただいたり。

席にお邪魔して「写真を見せてほしい」とお願いすると、どの方々も快くスマホやカメラの写真を見せてくださり、それがとても嬉しかった。

ゲーム会場でプレイヤーさんを「がんばれ!」と応援するのも楽しかったし、後からSNSで参加者の方と繋がることもできた。

1人参加だったので寂しいかな?と思っていたが、「ウルトラマントレギア」を通して、想像以上にたくさんの方々と交流することができた。

リアルの場で同じ空気を共有して、直にコミュニケーションする。
オンラインでの交流も楽しいが、コロナ禍による断絶を経て、オフラインで誰かと共に楽しむ体験は私にとって何よりの喜びであり、好きなことだと改めて気づくことができた。

素敵な時間と、有難いご縁を結んでくれた「ウルトラマントレギア」には、心から感謝したい。

「ウルトラマントレギア」というキャラの人気を実感

地球人たちに囲まれるトレギア。掛け軸に見える「全宇宙」の文字が味わい深い。

今回パーティーに参加してみて、「ウルトラマントレギア」というキャラクターの人気をひしひしと肌で感じた。

このハロウィンパーティーは抽選制で、一定の人数しか参加できなかった。
お店の方によれば、「おそらく今までで1番応募数が多く、数え切れないので、とにかく先に抽選だけおこなった」とのこと。

店内のキャパシティ、スケジュール調整、損益、時代性やタイミングなど課題はいろいろあると思うが、ぜひ間口が広がって、より多くの人々がウルトラマントレギアに会えるようになればいいなと思う。

私自身も縁があれば、ぜひまたウルトラマントレギアに会いたい。

スーツアクターさんに感嘆した思い出

現実的な感想になってしまうが、「うわーーーーーすごい」とつくづく思った。
長時間あの着ぐるみを着て、脚本もなしにアドリブで演じ続けるのは…。

ゲーム会場から席に戻る参加者を迎えるべく、通路の真ん中にドンと立っている姿を「関所」と呼んで眺めていたが、人がやってこないときの彼は、壁を突っついたり、ハロウィンの飾りを見上げたり、バチバチに決まったモデル立ちでゲーム会場を出ようとする参加者さんたちをじっと見つめたりしていた。

グリーティングやゲーム大会の時間もそうだが、キャラクター像を壊さないようにしつつ、客を楽しませるためのもてなしを徹底し、なおかつ客前に出ているあいだは「ずっと見られている」ことを意識して振る舞われている姿はさすがだと思った。

堂々たる面持ちのトレギア。

参加者へのファンサービスは惜しみがなかった。
丁寧なリアクションで、胸に手を当ててうなずいたり、グッズを見てそれぞれに違う反応を示したり。

私だって人間である。ファンサをもらっている他の人たちが素直にうらやましく、席の近くに彼が来たときに手を振ってみた。

しばらく無反応だったので「ダメかなぁ」と思っていると、不意にこちらを向いて、人差し指を唇に当てて「シーッ」と諌められてしまった。

怒られたと思って手を振るのをやめると、そのまま口元に当てた指先をスッとこちらに向けてきたので、「投げキッス!?」と魂消てしまった。

開幕当初の塩っぽさにはハラハラしたが、そんなもん全部チャラである。

「スーツアクターさん、すごい…」とひたすらに感嘆しまくる90分であった。

当時は本当にお疲れさまでした。

関係者の方々へのお礼

遅くなってしまいましたが、怪獣酒場の皆様、イベント関係者の皆様、本当にありがとうございました。

料理はおいしかったし、トークもパフォーマンスも全て楽しかったし、とても良い思い出になりました。

心よりお礼を申し上げるとともに、今後の益々のご発展をお祈り申し上げます。

おわりに

今夏に初めてウルトラヒーローたちと生で対面し、一緒に写真を撮る経験をして、それがとても楽しかった。

いずれウルトラ怪獣とも写真を撮りたいと思っていたが、このハロウィンパーティーで夢が1つ叶った。

生まれて初めてツーショットを撮るウルトラ怪獣がウルトラマントレギアになるとは思わなかったが、彼でよかったと思う。

この邂逅に味を占めて、「大好きなゼットン、メフィラス星人、ザラブ星人にも会えると良いな」と思った私が、他のウルトラ怪獣に会いにいくことになるのは、また別のお話。

そしてやっぱりジャミラのものまねが本当によかった。
心底感動したので、何度でもこの感動を記載しておきたい。

最後に、一緒にパーティーに参加したみんなの記念写真を載せておく。

楽しかったね!お疲れ!

また遊ぼう!

参考リンク

舞台『DARKNESS HEELS~THE LIVE~2022』公式サイト
怪獣酒場公式サイト

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