こんにちは、栃木三和です。
去る2022年11月20日、中野サンプラザホールでおこなわれた布施明さんのコンサート「よみがえれ昔日の情熱」に参加しましたので、その感想を記録します。
大学時代の友人が布施明さんの大ファンで、今回声をかけてくれました。
実は、私は布施明さんの生歌を聞くのはこれが2度目。
1度目は、2022年8月21日に行われた「AKIRA FUSE SOMETHING JAZZY 2022」。
当日行けなくなった友人の代打で急遽参加し、これが布施さんとの邂逅になります。
さて、今回の中野のコンサート。
私自身は布施さんについてまだあまり詳しく存じ上げないため、友人が事前に貸してくれた今回のツアーのパンフレットを読み込み、CDを聴いて予習して、コンサート当日を迎えました。
(以下、公演内容のネタバレあり。ご注意ください。)
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布施明コンサート「よみがえれ昔日の情熱」セットリスト
2022年11月20日開催、中野サンプラザホールでの布施明コンサート「よみがえれ昔日の情熱」のセトリは以下のとおりです。
こちらは友人から共有いただきました。
- 勝手に想い出
- 昔日の情熱
- Mr. Bojangles
- <独白コーナー>
- 落ち葉が雪に
- 流離の彼方で
- それが僕です
- <メドレー>
- YOKOTA AIR FORCE TOWN (CAN REALLY BRING YOU DOWN)
- これが青春だ
- 雪がおどる
- 霧の摩周湖
- カルチェラタンの雪
- 恋
- うりずんの風
- シクラメンのかほり
- 愛情物語を観ましたか
- 愛情物語(To Love Again & Manhattan)
- We Will Meet Again
- 慟哭
- まほろばの国
- ついて来るなら
- My Way
- 君は薔薇より美しい
- Time To Say Goodbye
(提供:まっぷぅ)
印象に残った歌とその所感
勝手に想い出
開演時間を迎え、明かりが消えていきます。会場全体が暗くなっていき、真っ暗で何も見えなくなって…。
「ドンッ!」という音に思わず椅子から飛び上がりました。
そこからなだれ込むように音楽スタート!
黒いジャケットに身を包んだ布施さんが、ステージで軽やかに高らかに歌い上げます。
「勝手に想い出」はコンサートの予習でCDを聴いて気に入っていた一曲。
開演前にも、「あのララララ〜っていう歌が好きだから聴けたらいいな」と友人に話していたところ、まさか1曲目で歌っていただけるとは!
ステージでは、満点の星空のようなライトが美しくきらめきます。
アップテンポで華やかな音楽に、会場は一気にヒートアップ!
まさに開幕にふさわしい曲でした。
Mr. Bojangles
ステージ上でパッと衣装替えした布施さんが、朗々と肉声で歌い出されました。
布施さんは声量がすごいのだということは友人から聞いていたので、なるほどこうやって肉声で歌唱されるのだな…さすがだ…と思っていたら、まさかの「マイク忘れちゃった」とのコメント。
そんなことある!?
布施さんは歌いながら、同時に歌の世界を「芝居」の形でも表現していらっしゃいました。
それはまるで、ミュージカルを観ているかのよう。
そういえば、布施さんは俳優としてドラマなどでもご活躍されているそうですね。
私は未視聴ですが、仮面ライダーなどにも出演されていたと伺っております。
歌唱、演技、ダンス、トークと、なるほど布施さんはあらゆる方面で「パフォーマー」であり、「エンターテイナー」なのだと思いました。
なお、今これを書きながら、なんとなく「布施明 声量」で検索したら「声量おばけ」が検索候補に出てきて笑いました。
<独白>
歌ではなく、曲の合間に寸劇のようなものが挟まります。
MCともまた違う、布施さんいわく「独白」というコーナーとのことでした。
コンサートでは毎回行われているようです。
なお、ファンの方々からの評価は二分されているとのこと。
若い方からは「さだまさしさんみたいにお笑いコーナーにしたら」と言われているですだが、「でも、さだまさしさんもお笑いのつもりでやってないし…」と布施さん。
MCが面白いな〜と思いました。お話もお上手なんですね。
それが僕です
初めて聴く曲です。あとからググりましたが、情報が出てきません。カバー曲なんでしょうか?
フレーズとして何度も登場する「それが僕です」の言い方が優しくて好きだなと感じました。
「僕です」と自分を指差してニコッとする布施さんの笑顔がチャーミングでした。
うりずんの風
こちらも初めて聞いて、メロディーが好きだなと思った歌です。
歌詞はあとから調べましたが、娘が母親に向けたメッセージを歌ったもののようですね。
うりずんとは、沖縄の言葉で春分から梅雨入りまでの時期を指す言葉とのこと。
まさに暖かく穏やかであろう季節のような、心地よい歌でした。
We Will Meet Again
ジャズライブで聴いて以来、ずっと耳に残っていた歌です。
「亡くなった友人への鎮魂歌」ということで作られたと聞いています。
切なく物哀しく、それでもどこかほんのりとした灯りがともるようなメロディーが印象深かったのです。
再びこうしてコンサートで聴けたことを大変嬉しく思いました。
「慟哭」を歌い終えたあと、布施さんがぼそりと「サスペンダーが取れた…」。
そんなことある!?(2回目)
まほろばの国
布施さんの「民度を持って生きたい。いいねこの島、と言われるように」というメッセージと共に歌われた曲。
初めて聴く歌でしたが、私はE.エルガーの行進曲「威風堂々」を聴いたときと同じ印象を持ちました。
「さぁ堂々と歩まん 歩まん」の力強いフレーズはまさに”応援歌”であると感じました。
下を向いて歩いている人に「さあ、顔を上げて」と語りかけるかのようです。
布施さんが「国」といわず「島」とおっしゃったのには、何かこだわりのようなものを感じました。
まほろば(真秀ろば)とは、古代の日本語で「素晴らしい場所」や「理想郷」を意味する言葉。
私たちが今立っているこの土地は、「まほろばの国」となるのでしょうか、そして私たちは「まほろばの国」にできるのでしょうか。
My Way
以前どこかのタイミングで聴いて記憶していた曲です。
サビで朗々と歌い上げられる「すべては心の決めたままに」、このフレーズがとにかく好きです。今の私の理想といってもいいでしょう。
歌が人の心に刺さるのは、歌がその人自身の感情を形にしてくれて、寄り添ってくれるように感じられるから。
そういった意味では、「My Way」はまさに今の私に刺さる歌でした。
君は薔薇より美しい
有名な曲ですね。8月のライブでもラストに歌われ、場が一気に盛り上がった曲です。
ステージにはピンクのジャケットに着替えた布施さんが登場。
私は友人といっしょにハート型のサイリウムを振りながら、ノリノリで手拍子をして、すごく楽しかったです。
コンサートの締めくくりをまさに薔薇色に彩るような、とっても楽しい歌です。
まさか自分がこの曲を「楽しい!」と思いながら聴くようになる日がくるとは思いませんでした。
今の時代、「君は薔薇より美しい」のようなド直球な歌詞はあまり耳にしません。いや、私が知らないだけかもしれませんが…。
リアルでもネットでも、裏を読まざるをえないような駆け引きや欺瞞、小難しい話が飛び交う今だからこそ、ストレートに己の情熱を歌ったラブソングは爽快だなと感じます。
Time To Say Goodbye
バッと背後から白い光の柱に照らされ、濃い影として浮かび上がった姿に思わず「こ、神々しい…!」とつぶやいてしまいました。
まさに終幕にふさわしい、華麗かつ荘厳な一曲でした。
会場を出たあと、出待ちをしたいという友人にくっついていくことに。
運良く、ちょうどお帰りになられる布施さんを見送ることができました。会場を去る姿までスマートでかっこよく、ため息が出るばかりでした。
所感まとめ
歌が…うまい!
それにしても、布施明さん、本当に歌がうまい…!
コンサートのあいだ中、「えっ!歌がうまい……歌が!うまい!!」と終始ビックリしていました。
「歌」という名のパワー
布施さんの歌声には「パワー」があると感じました。
歌とは、曲とは、音とは、要するに”振動”です。
振動が空気を伝って、耳を通して脳に届き、そこで意味が生まれるわけですが、布施さんの歌は「聴くエネルギーチャージ」といった印象なのです。
耳に届き、腹に響き、体の芯でエネルギーが生産されて、それが全身に満ちていく感じがしました。
年齢と、在りたい姿と
友人から、布施明さんはもうすぐ75歳になられるのだと聞いてビックリしてしまいました。
ステージ上の布施さんは、50歳くらいにしか見えなかったからです。
74歳にして、あのダンディーさとキュートさとセクシーさを併せ持っているのは本当にすごいです。
常にご自分を内からも外からも磨かれてきたのだと思います。
人間、年齢を重ねても布施さんのように常に優雅に優美に上品に、にこにこと笑顔で優しく愛嬌たっぷりに、かく在りたいものですね…と心から思いました。
さらば、中野サンプラザ
中野サンプラザは2023年7月2日をもって閉館し、取り壊される予定だそうです。
布施さんにとって2022年内最後の東京公演、そして最後の中野サンプラザでのコンサートということで、なんとも貴重な機会に参加させていただきました。
おわりに
今回、一緒に行こうと声をかけたくれた友人に、この場を借りて心から感謝します。どうもありがとう!
すべての曲の感想と布施さんの様子については彼女のレポートがとても詳しいので、布施さんファンの方はぜひお読みになってください。
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生布施明レポート 2022.11.20@中野サンプラザ|まっぷぅ – note
私が初めての布施明さんの生歌を聞いたジャズライブ「AKIRA FUSE SOMETHING JAZZY 2022」についても、いずれ機を改めて書けたらと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。